2010年12月27日月曜日

生と性と死について

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生と死については誰もが考えたことがあると思う。
私も小学6年生の時に考えすぎて眠れなくなって死ぬんじゃないかと思ったことがある。

しかし本書を読んでみて、生と死は相反するものではないと感じた。生の中に死は常に存在する。
私たち人間の体を全とすると、それを構成する物質は個であるといえる。
個であるものの1つ、細胞。その遺伝子には死がプログラムされている。
そのプログラムされた細胞の死のことを「アポトーシス」と呼ぶ。
このアポトーシスによって私たちは生きることも死ぬことも出来る。
例えば、肌の細胞は約28日で生まれ変わるとされているが、これもアポトーシスの影響である。
アポトーシスは新たな生をうみだしているのだ。
しかしそのアポトーシス、人間は約60回しか行うことができず、その後は死あるのみだ。

そしてもう1つ、アポビオーシスとよばれるものがあり、これはアポトーシスのように再生が行われず、
一度死滅してしまうとそこで終わりというものである。

この死への細胞を私たちは生まれながらにして携えている。
それであって死を恐れ、不死を望むというのは自然の摂理に抗っているのではないか。
確かに死を恐れる気持ちは理解できる。
しかしそれ故に不死を望むという単純な思考は捨てるべきではないか。
あまりにも利己的だと感じる。
そう考えると著者の考える、アポトーシス利他的論は同感できる。

もう1度死と向き合い、自分と向き合い、これからのことを考えるのもいいのではないだろうか。

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